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犬のいる展覧会についてのGの報告 Bericht von G ueber die Ausstellung mit dem in die Wand gefuegten Hund
1998年
04' 00''、カラー、サイレント
コンセプト・編集:GUP-py

作品解説
ビデオ作品「壁に埋め込められた犬のいる展覧会」は、インスタレーション作品の一部として制作されました。ビデオはこのビデオを実際に展示した展覧会場で撮影されました。 このビデオを展示した展覧会では、小さなモニターが展覧会場の入り口に設置され、展覧会場を訪れる人々は展覧会場で起こっている出来事を見ることができます。
ストーリー

画廊ASCIIで開催された展覧会のダイレクトメールを受け取ったGは、会場へと足を運んだ。そこでGが見たものはビデオに録画されたのだが、それが今回ここに展覧会ドキュメントとして紹介するものである。


Gはダイレクトメールを片手に会場に足を踏み入れた。



(そこにGを待ち受けているはずの展覧会が見あたらないので肩透かしをくらって)Gは戸惑いがちに今入ってきたばかりの戸を振り返り、部屋をあちこちと眺め渡す。床に視線を落とすがそこには何も作品らしきものはない。

ひょっとしたら何か非常に小さなものが部屋のどこかに展示されているのかも、と考えるG。部屋をつぶさに観察する。まず右側の壁に近寄りそこに何かないか確かめる。が、やはりない。

では、その隣の壁、つまり向かい側の壁はどうだろう。Gは歩を進める。と、

ワンワンワンワン..

壁の中からいきなり猛烈に犬が吠えかかる。驚いたGはやや後退りする。

犬は鳴き止む。

しかしGがもう一度同じ方向へ進もうとすると再び犬は吠える。Gは壁際までとたどり着き壁を念入りに観察するが、そこにも何もない。

壁沿いにGは右へと歩み、再び入り口へと向かう。

また声は止む。

今度は床の上を仔細に観察する。が、それでも何も見えない。

もしかして監視カメラが天井に設置されているのかも。天井四隅をぐるりと見渡す。

床の上に目を留めながら壁の方へとゆっくり近寄る。

ワンワンワンワン..

犬の声がした瞬間Gは何歩か後退りする。

また静かになる。

片足だけ前へ出してみる。

ワンワンワンワン..

更に右へと足を伸ばす、犬は吠え続ける。

Gは後退する。

再度静寂。

前方の壁と平行方向に右の方へ、それから前方へと進む。

ワンワンワンワン..

Gが入り口の方へ行くとまた声は止む。

(これでGの果たすべき役割は終わった。あとは退場するのみ)


立ち去ろうとした瞬間、会場の手前のテーブルにこの展覧会についてのカタログが置いてあるのがGの目に止まった。一冊を手に取りページを繰った。

Gがカタログを読んでいる間、Gの関心はカタログの中に向けられる。展覧会場での出来事についてもはやGは気に留めない。そういう訳で、ここで我々もこの物語に別れを告げなくてはならない...

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